現在、世界各国で何千万人と言う人々に親しまれているダーツゲーム、そのルーツは500年以上も昔のイギリスの戦場へとさかのぼる。兵士の気晴らしの遊戯であったダーツは、彼らが退屈しのぎに考え出したと言うのが、そもそもの始まりらしい。
空になった葡萄酒の樽が、最初に使われた的だった。これを外壁などに立てかけて、スピアー(短く切った矢)を投げつけては、互いの
腕を競い合ったのだろう。もしその当時、イギリスで火薬を発明していたら鉄砲にとって変わられ、ダーツは生まれることすら無かったかもしれない。
さて、兵士たちの単なる退屈しのぎの遊びであったダーツも、少しずつ 技を競うスポーツの方向へ変化していく。葡萄酒樽の不足もあって、次に的として使われたのが、木のボードであった。これは切り倒した大木を厚めに切断したもので、このボードの切断面には、自然の年輪
が刻まれていた。年輪は偶然にも採点を可能にした。さらに使い込まれて いくうちにボードが乾燥すると、何本もの放射状の亀裂が入り、採点は
いっそう複雑なものになっていったのである。この大木を切断したボードが 現在のダートボード(注:ダーツとはdartの複数形dartsでボードなど単体
を指すときはダートと表記します)のフェイスデザイン原型となりました。
それはさておき、このイギリス生まれの古代のスポーツを、今日、 これほどまでにポピュラーにした理由は一体、何だったのであろうか。
答えは簡単。3本の矢を的に向かって投げる、ただそれだけのゲーム だからです。一度ダーツを投げてみる、外れたらもう1本、そしてさらにもう1本。すると、何かが強烈にあなたの内部からつきあげてくるものが
感じられるはずです。もう3本投げてみようという、強い刺激的な欲求。
(参考文献:英国流ダーツの本 ) |
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